色のない緑

ゲーム、アニメ、本の感想など書きます。主にTwitterの補完的な記事です。

『響け!ユーフォニアム』を観た

今更ながら「響け!ユーフォニアム」をdアニメストアで完走しました。
近いうちに2期、劇場版を見るつもりですが、とりあえずは1期の感想を書きます。


久美子の成長

全体を通して、久美子が自身の過去と向き合いながら変わっていく様子が繊細に描かれていると思いました。

中1の時に自分がコンクールメンバーに選ばれた際、当時の先輩から「あんたがいなければコンクールで吹けたのに!」と言われたこと。中3では「ダメ金」の結果に悔し泣きする麗奈に対して「本気で全国行けると思っていたの?」と言ってしまったこと。

中学時代の経験は、久美子が自分の存在が他人を傷つけないようにする生き方を望ませるためには十分だったと思います。 吹奏楽入部を渋っていたのは過去の経験を繰り返したくない、入部後にトロンボーンを希望したのは過去の自分から変わりたい、そのような気持ちが潜在的にあったのではないでしょうか。

受験というタスクを理由に吹奏楽をやめた葵や姉が身近にいるという状況は、久美子に吹奏楽への向き合い方と自分はどう有りたいかを考えさせる。
その答えをくれたのが、花火大会の時の麗奈だった。 この時、久美子は中3の失言にわだかまりを持っていたのだろうけど、麗奈から出てくる言葉は意外にも「愛の告白」だった。この言葉は自分の過去を受け入れてくれたと久美子は思ったんじゃないだろうか。 「特別になりたい。だからトランペットやっている。」と語る麗奈に対して、憧れを抱いていく様子が感じとれました。

そして、久美子が滝先生から残酷な言葉を受けた後、麗奈の「悔しくて死にそう」という気持ちに共感でき、ユーフォニアムが好きという気持ちに気づいたシーン。久美子が必死に追いかけてた麗奈が、久美子にいちばん大切なことを教えてくれたことには涙出そうだった。

京都アニメーションの作画

映画『Hello World』のように京都の名所が出てくるわけでもない。 にも関わらず、本作品に出てくる宇治市の場所・風景が特別のように感じるのは京都アニメーションが手掛ける描写によるものだと思いました。
また、登場人物の表情をアップで移すシーンが多かった本作品では、表情の変化を繊細に読み取ることができ、心境と密接にリンクして作品を楽しむことができました。高校生という未熟な心が移り変わっていく様子を感じました。

大変素晴らしい作品だからこそ、昨年起きた凄惨な事件を切り離して考えることが出来なかった。
今後も、京都アニメーションから素晴らしい作品が出てくることを願っています。

その他もろもろ

  • 日笠陽子さん演じる葵ちゃんの出番が後半少なかったのはちょっと残念。
  • 花火大会の麗奈の白ワンピまじで可愛い。というか久美子の口に指を当てるシーンはマジでドキドキした。
  • 普段はキリッとしてるのに、久美子と二人っきりの時だけクシャッとした笑顔見せるのは反則すぎる。
  • 11話で汗だくで練習する久美子が色っぽい。そして、麗奈が隣に来たのってそんな色っぽい久美子を見るためだろうと思いたい。
  • 滝先生の飴と鞭の使い方が上手すぎる。
  • あすか先輩にもスポット当ててほしい。2期以降が楽しみ。